終わらない日々

 何も考えたくなくて、朝から薬とアルコールを一緒に飲んで、傷だらけの両腕を見ている。今なら、左腕を力いっぱい切りつけて、風呂に浸けて死ねるような気がするのに、実行しない愚かさ。結局は、臆病。愚かだ。もっと簡単に、リスクのない死に方をいつも求めているのだけれど。カーテンレールは私の重みに耐えてくれるだろうか。庭のケヤキでなら、実行できる気がするが、景色が良すぎる。すぐに気づかれてしまう。そう思うと手を伸ばせない。自分の両手で首を絞めてみる。そんなことで死ねるなんて、思ってもないくせに。あがいて。あがいて。風呂場で思いっきり頚動脈を切ってみたら? でもそんなことをしたら、家族は風呂場に入るたびに不快な思いをするだろう。あぁもうどうしたら。
 忌々しいこの、存在。何もできず迷惑をかけただむちゃくちゃにあがいている空しさを、誰が理解できるだろう。誰も理解できない。そして私も、誰かを理解することを放棄している。知ったこっちゃねぇ、というのはある人の口癖だっただろうか。あぁ、手が震えている。このまま生き続けることへの罪悪感と恐怖かもしれない。若年性うつ病だと、母の友人の精神科医は言ったらしい。それこそ、知ったこっちゃねぇ。あたしが。あたし自身が「死にたい」といっているのだから、そうなんだ。死にたい。消えたい。この世界から。あたしは塵になって風に舞って海に還る。そんなストーリィをぼんやりと組み立てて、でも現実のあたしはただアルコールと薬でぐだぐだになってパソコンに向かっているだけ。
 空しい。何も入ってこない。
 いなくなってしまいたい。
 ただそれだけ。