家内安全、病気回復

 旅行へ行っている間、辻村深月の「冷たい校舎の時は止まる」と二階堂黎人の「地獄の奇術師」を読了した。先に読了したのは「地獄の奇術師」。割と最近の作品と言う気持ちで読みはじめたのだが、むしろちょっと昔の作品のような雰囲気だった。言って見れば横溝正史である。それだけに、なんとなく先が読めてしまい、トリックは分からないものの最初のほうで犯人が分かってしまい、それを確かめるような気持ちで読み進めた感じ。トリックのほうも犯人が分かってしまうとおいおいと想像はついたのだが。二階堂黎人の作品では、続きの「聖アウスラ修道院の惨劇」を読んでいる。もしかしたら「吸血の家」の方が先なのかもしれないが、古本屋にあったのがそちらだったのだ。それに、学園物(少し違うか?)の方が好みである。「冷たい校舎の時は止まる」は、全体的な流れとしてはSFに近かったのだが、学園物というだけあって生徒一人ひとりの人間関係が面白く、そのうえ考え方や行動が妙にリアルで、友人との仲たがいひとつとっても「わかる!」という感じで、少し暗い内容であったのにも関わらず非常に面白く読み進められた。さすがメフィスト賞をとっただけあってミステリとしてもちゃんとなりたっていて、次はどうなる!それは誰なんだ!!あれは誰なんだ!!みたいな。面白かったので、辻村深月作品、文庫ででたら次々読んでいきたいと思う。

冷たい校舎の時は止まる(上) (講談社文庫)

冷たい校舎の時は止まる(上) (講談社文庫)

地獄の奇術師 (講談社文庫)

地獄の奇術師 (講談社文庫)


 さて今日は起きたのは正午前。昨日は疲れていて十二時前に眠ってしまったので、大分長いこと寝た(といっても休日はいつもそんなもんである) 母親も、珍しく同じ時間に起きたのは風邪気味だったからだろう。二人でもそもそと起き出して、今日は初詣に、近くの徒歩30分ぐらいの神社へ向かった。毎年訪れる場所である。本来ならば京都の北野天満宮へ行く予定だったのだが、母親の体調が悪いと言うことで近くの神社だけで済ますことになったのだ。おとずれるまでの結構長い距離を二人でダラダラと喋りながら歩く。シンガポールでのオーチャード通りでは人通りが多くせわしなく歩いていたのだが、今日は手荷物も少なく、閑静な住宅街をただてくてくと歩くだけだったので二人で色々な話をした。特に書くほどの内容ではないので書かないが、こういう時間が必要なのだと私は思った。そして神社へ。去年訪れたのは3日で結構な混み具合であったが、今日はそんなに混んではいなかった。それもあって、蝋燭と線香を立てる余裕もあったので、人ごみの中で煙を被ってきた。それからメインの御参りへ。願うことはいつもと変わらない。お賽銭は去年よりも多めにしてきたのだが、きっと金の問題でなく気の持ちよう(というか本人のやる気次第)なのだろう。とりあえず真剣に願ってきたのだがどのぐらい叶えてもらえるのやら…。そしてもう一つのメイン、おみくじである。去年、同じ神社、北野天満宮、京都のとある神社で引いた3つのおみくじが全て「凶」であった身としては戦々恐々。だが引いたおみくじは母親もともに大吉であった(!) おみくじによると病気は回復し、失せ物は出やすく、生死は十に八九は生きるとある。とても嬉しい内容である。ただ、待ち人はこないらしいので、残念ながら今年も一人身で過ごすことになりそうである。今日は時間もあって人も少なかったので「そえごま」も出してきた。「そえごま」とは諸願成就の御利益をいただくために、「そえごま」(木の棒のようなもの)の表に氏名、年齢(数え年)を、裏にお願い事(四字熟語。家内安全、学業成就など)を書いて、それを焼いてもらって願いを叶えてもらうのだ。今回「そえごま」を出したのには、私が厄年だったこともある。年齢を見て、もうそんな数え年になるのか…と若干ショックを受けた。「そえごま」には家内安全、病気回復をお願いした。両方ともぜひ叶えて欲しいお願いである。
 それから、屋台を横目にスーパーなどに寄ってダラダラと遠回りをして一時間ほどかけて帰路に着いた。夕食を色々と考えながらスーパーをうろうろとしたのだが、当初予定していたてんぷらの具材がなく、結局二人で頑張ってカニクリームコロッケにしよう!と思いついてからは早かった。ホワイトクリームの材料や付け合せのメニューを考え、結局付け合せは前菜によこわのカルパッチョ、メインのかにクリームコロッケ、かぼちゃシチューベーコンとスナックエンドウのスパゲッティ、ポテトサラダになった。帰って来てからはとりあえず時間のかかるカニクリームコロッケ作りに入る。ホワイトクリームは少し固めに作って、衣をつけやすいように作る。これが一苦労で、ホワイトクリームを練るのが大変だった。具材を入れてからも硬くなるまで錬って、すこし硬くなるぐらいまで冷蔵庫で冷やす。その間に、足りない材料を買いに行ったり、薬局へいったりと少しドライブをした。帰って来てから残りのメニューを仕上げて夕食。時間をかけたカニクリームコロッケは前に作ったものより断然クリーミィで美味しいものになった(気がする) 時間をかけて夕食を作ると、それだけ美味しいものが作れた気になる。最近は火曜日の夜の夕食作りをサボっているので、次の火曜日には何か作れたらいいな。そう思って今から料理本と格闘している。和食がいいと思うのは最近和食を食べていないからだ。あれだけ旅行先で洋食ばかり口にしていると、あっさりしたものを食べたくなる。唐揚げなんかどうだろうか。脂っこいか…こうやって料理を考えるのもまた楽しく、必要な時間だなぁと思うのだ。そんな時間が必要、と思えるのは、精神回復の第一歩だろうか。精神科の先生には、「そうやってうつを抱えて今まで生きてきた自分をまず誉めてやることが大事」だと言われたが、まだそこまでは至らない。そう思えるようになればいいな。


 明日はとうとうバイト出勤の日である。休み明けの土曜とあって覚悟が必要だ。朝早く起きなければいけないし…。とにかく混むことが予想される。なんといっても連休明けで、休みの間に異常をきたした人がたくさんくるのだろう。ただ、明日出勤した後は月曜をフルタイムで出る以外、午前か午後のみの出勤となるので、某講義のレポートを仕上げてしまいたい。先延ばしにしていると何時までもやる気にならないからな…。ところで、最近左の奥歯の辺りが痛いなと思ったら親知らずが生えてきていた。なんとなく蟲師の瑞歯を思い出す。抜かないでいいように生えてきてくれればいいのだけれど。