神の左手

 なんだかマウスの動きが悪い。VISTAにしてから上に変なサイドバーが出るようになって使いづらいのだが、そのせいだろうか。どうにも動きが遅くてしょうがない。くそぅ。昨日の夜から恩田陸の「光の帝国――常野物語」を読んでいる。なんだか不思議で懐かしい雰囲気の作品で、「エンド・ゲーム」や「蒲公英草紙」など、シリーズ化もされている。色々な不思議な能力を持った一族の話なのだが、話それぞれの登場人物が絡み合っているのも面白い。恩田陸の作品では特に色々な話の色々な登場人物がリンクしているのが読んでいる楽しみでもある。特に私が好きなのが「麦の海に沈む果実」から始まる三月シリーズ。特にベースである「麦の海に沈む果実」は少年少女たちの繊細で純粋で、それでいてドロドロとした学園物。恩田陸の小説を読む上で特記したいのが彼女の『じわじわと怖い』表現。そのまま読み飛ばしてしまいそうでゾクリとする書き方は誰もまねできないと思う。その怖さが「麦の海に沈む果実」にもあって、爽やかなのにどこか怖い雰囲気をかもしだしている。他にも読んでいて怖かったのは「六番目の小夜子」とか、あと一部で「ねじの回転」にもその怖さがあるシーンがある。ううん、はやく新刊が読みたいぞ。

光の帝国 常野物語 (集英社文庫)

光の帝国 常野物語 (集英社文庫)

 膨大な書物を暗記するちから、遠くの出来事を知るちから、近い将来を見通すちから―「常野」から来たといわれる彼らには、みなそれぞれ不思議な能力があった。穏やかで知的で、権力への思向を持たず、ふつうの人々の中に埋もれてひっそりと暮らす人々。彼らは何のために存在し、どこへ帰っていこうとしているのか? 不思議な優しさと淡い哀しみに満ちた、常野一族をめぐる連作短編集。優しさに満ちた壮大なファンタジーの序章。


 今日は仕事が休みの日だったのだが、起きた時間はいつもと変わらなかった。朝から大阪に出てきたのだ。もっとも用事があったのは母のほうだったのが、どっちにしろ映画を観に大阪には出るつもりだったので一緒に。阪急百貨店が開く前に大阪には到着したのだが、ナウファッションバザールがやっている所為か、百貨店の入り口には開店を待つ客が列を成していた。この時点で、KYRIE、阪急百貨店での買い物を諦める。先に映画館で「KIDS」のチケットを購入して、反動で空いているだろうと思われる阪神百貨店へ。阪神ジーンズ売り場は広くて数も豊富、試着室の店員さんもとても親切なので、ジーンズを買うときは阪神百貨店と決めている。結局十着くらい試着して、店員さんがこちらの希望通りに選んでいてくれたタイトなインディゴのジーンズを購入。少し内股の部分が余っていたのだが、履いているうちになじんでくるだろう。ジーンズは長く着てなんぼである。丈の直しをしてもらっているあいだに、一度ヤング服のフロアを一巡り。ジーンズを取りにいってから、一目ぼれしたミシェルクランのキャミソール・チュニックを購入。裾の部分が花柄のフレアになっていて、ジーンズにもこの間買ったカーディガンにも合わせられそう。深い青緑色の色違いもあったのだが、結局白にした。ミシェルクランの春物は可愛くって、何時も色違いまで欲しくなってしまうのだが、そこは自粛。そのまま隣のブランドで花柄のワンピースを試着する。黒ベースのピンクの花柄。長袖で傷も隠れるし、夏まで着れそうなぐらいの薄手。欲しいなぁでも予算オーバーするなあと思いつつ、後ろ髪を引かれる思いで映画「KIDS」へ。
 映画は正直言えばまぁまぁだった。レディスデーの千円でちょうどいいぐらいと言えばいいだろうか。とことんよくも悪くもなく、可も不可もなく…。乙一の作品が原作だったが、おおまかなストーリーは原作どおり。主人公が小学生二人から大人になっている点で少し違って、それぞれの過去を掘り下げたような内容。少し展開が強引かなという感じがした。やっぱり乙一のショートストーリーはそれらしく原作に忠実なオムニバスの方がいいのかもしれない。それこそ、「ZOO」は原作に忠実でよかった。だが、何時も通りパンフレットは買うと決めているので600円払ってパンフは購入。そして母親との待ち合わせ時間が迫っているのにもかかわらずやっぱり欲しくなってワンピースを購入しに行ってしまった。うわぁもう春服は買えねぇな…。でもバルーンタイプの上着、気になる…。だだだだ、駄目だ駄目だ駄目だ。母親との約束には少し遅れてしまったのだが、そのまま某地の形成外科にて、左手の瘢痕を消す手術に臨んできた。手術、火傷の痕のように盛り上がってしまった左手の傷痕を目立たなくするもの。結構本格的で、手術台に寝かされての手術だった。まず、局部麻酔をするのだが、手は感覚が敏感だったらしく、めちゃくちゃ痛かった。本気で痛かった。思わず「あああああ…!」と声が出そうに。最初から痛いんじゃないかという予感はあったが、右手を握り締めて痛みをやり過ごさないとマジで泣きそうだった。だが、麻酔をかけた後は勿論感覚がなく、30分ぐらいで手術終了。これで痕が目立たなくなればいいのだが。
 その後痛み止めやら化膿止めの薬をもらって、帰ってきてつらかったのが、手術後なので酒が飲めないということ。ほとんどアルコール中毒になっているのではないだろうかというほど毎晩飲んでいたのでこれが辛い…。一日チューハイを4本ぐらい平気であけていたのが1本にとどめなければならないのである。仕方がないので飴ちゃんを買ってきて口寂しさを紛らわしているが、どこか残念である。あと、左手が濡らせないので、メイクを片手で落とさなければならなかった。洗顔も勿論片手である。面倒くさい…。まぁ自業自得なのでしょうがないのだけれど。夜は少しだけ、父親の作ってくれたフレッシュジュースのカクテルを飲んでまた紛らわす。アルコールが少ないのでほとんどジュースなのだが。あぁガッツリ飲みたい…!


 明日からまた仕事である。この間あまり動けなかった分明日はちゃんと動いてこよう。寒いから空いてそうだな。今日も飽きずに雪が降っていた。明日も降ればいいのに。降ったらもっと空くし…。………はぁ。