死ぬ勇気があるなら何でも出来る

 また本を買った。今日買ったのは恩田陸夏の名残の薔薇」、米澤穂信犬はどこだ」。「夏の名残の薔薇」はハードカヴァーで出たときに図書館で借りて一度読んでいるのだけれど、恩田陸の本は文庫化したらたいていは買うようにしている。最近では結構金銭的に余裕があるので、ハードカヴァーで出ても買っているかな。そもそも図書館というシステムは、本を書いている人にとっては非常に損なシステムだと思っている。何しろお金を一銭も払わないで新作が読めるのである。それも、一冊の本を何人もの人がタダで読んでいるというのは、酷い話ではないか。そう思うので図書館は基本的に利用しない。廃止されてもいいぐらいである。というわけで、また文庫が増えた。どんどん増えていく。一ヶ月に五冊ぐらいのペースで買っているのではないだろうか。それで読み終えていればいいのだけれど、前の本を読み終えてないのに買うものだから、枕もとの文庫本はますますうずたかく塔のようになっていく。これを俗に積読派というのだろうな…。昔は一日で余裕で一冊読んでいたんだけどなぁ…。集中力が落ちているんだろうな、色んな理由で。

夏の名残りの薔薇 (文春文庫)

夏の名残りの薔薇 (文春文庫)

 山奥のクラシックなホテルで、毎秋開かれる豪華なパーティ。その年、不吉な前兆とともに、次々と変死事件が起こった。果たして犯人は…。巧妙な仕掛けで読者に挑戦する渾身の一作。

犬はどこだ (創元推理文庫)

犬はどこだ (創元推理文庫)

 何か自営業を始めようと決めたとき、最初に思い浮かべたのはお好み焼き屋だった。しかしお好み焼き屋は支障があって叶わなかった。そこで調査事務所を開いた。この事務所“紺屋S&R”が想定している業務内容は、ただ一種類。犬だ。犬捜しをするのだ。それなのに、開業した途端舞い込んだ依頼は、失踪人捜しと古文書の解読。しかも調査の過程で、このふたつはなぜか微妙にクロスして―いったいこの事件の全体像は?犬捜し専門(希望)、二十五歳の私立探偵・紺屋、最初の事件。『さよなら妖精』で賞賛を浴びた著者が新境地に挑んだ青春私立探偵小説。


 今日は休みだったのだけれど、いつもと同じぐらいの時間に起きた。朝から形成外科に手の傷を見せに行かなければならなかったのである。なんだか、昨日の深夜から情緒不安定で、朝からそわそわ苛々して、落ち着かなかった。何とか起きてちゃんと医院には行って来たのだけれど。手の傷は、順調に回復しつつある。治療も第四段階かな…縫う→抜糸→テーピング、これからはスポンジのようなものを傷口に当てて、傷が盛り上がらないようにするらしい。一ヶ月ぐらい続けて、また見せに行くことになった。傷つけるときは簡単だけど、治るのって時間掛かるなぁとデメリットを今更ながら身をもって知る。それから、大阪に出て、眉を整えてくれるサロンへ。整えるにおいて、眉の余分な部分をワックスではがすのだが、これがなかなか痛かった。大まかにはがしたあと、細かく毛抜き。これも痛かった。眉ひとつにたいそうなものである。抜いたあと、いったん冷たいタオルで冷やし、今度は眉の描き方を教えてもらいながら整えていく。アイブロウをつけたり、マスカラみたいなので流れを整えてみたり、ペンシルで描いたり…今まで適当に整えていたので、これから毎朝この作業をするのなら五分早く起きなければならないなぁと思いつつ教えてもらった。行った甲斐あって、眉はなんかシュッとかっこよくなった。母親も一緒にやったのだが、母親の眉もなんか綺麗になっていて、前の写真撮っといて見比べればよかったねーなんていいながら喫茶店へ。
 喫茶店でグレープフルーツティーを飲んで、午後は百貨店で卒業式に着る服を物色。私は就活スーツで十分だと言ったのだけれど、母親があのスーツではみすぼらしいというのである。元からものぐさな私は服を選ぶのが非常にめんどくさくて更に鬱陶しくて、始終不機嫌。だからスーツでいいって言ってんじゃん!と半分キレながらワンピースを試着して、なかば投げやりに適当なワンピースを購入することになった。卒業式に謝恩会、非常に面倒くさい。大体今月の20日など、せっかくの休日なのに謝恩会なんかでつぶされるのがまず納得いかない。始めは行く気などさらさらなかったのだが、母親が行けとうるさく行くことになった。わざわざ、近くの駅の美容室で着付けと髪のセットも頼んであるのだが、…本気でめんどくさい。昔から、運動会しかり、遠足しかり、イベント物は嫌いである。成人式も結局行かなかったが後悔はしていない。帰りには、酒を買うついでにいきおいでコンビニで剃刀を買った。一番シンプルなもので、非常に安価ながらよく切れる。まだ、踏ん切りがつかなくて腕を切ることはないけれど、刃を見ているだけで安心する。いつかこれで死ねると思う。死ねたらいいのに。


 こんなに落ち着かないのは、色々なことが山積みなのかもしれない。たとえば、明日からまた仕事だなぁとか、来週は卒業式と謝恩会だなぁとか、もうそろそろ死んでもいいかなぁとか。大分前から、弟の受験が終わったら死のうとなんとなく思っていたのだけれど、今となってはあまり踏ん切りがつかない。死にたいな、死ぬなら今だなとは思うのだけれど、無駄に腕の傷は増やしたくない。完璧に死ねる方法がないかぎり実行には移せない。なんだか、こんなことを考えているのに、表ではこれから読む本を買ってみたり、矛盾している。死ぬ勇気があれば逆になんだって出来るような気がするのだけど。…明日はまた仕事か。うんざりするなぁ。